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NANO-SOUND > EVOLUTION SOUND
 

「音」というものを見た事がありますか?
聴覚だけで捕らえられる事象だけが音ではないのです。

夏の夜に鳴り響く虫、通り過ぎる車、携帯電話
人々の息 、地球の回る音 、細胞の分裂......

地球上では全ての動作に音が存在し、そこには意識が存在するのです。

..............流れる小川......
.......水に潜れば....
.............昆虫達の唄声...............

これらの音は空気の振動によって私達生物の耳に入って来ます。
私達人間の聞こえる音には限りがあります。一般的には20Hz〜20000Hzといわれていますが、
実際は感じる事ができる可聴範囲はもう少し広いでしょう。

最近はCDというデジタル録音された音をよく耳にしていると思いますが、
昔のレコードとCDの音の違いとは一体なんでしょう?
一般的にCDはクリアーで、レコードは暖かい音がすると言われています。

その理由は、
デジタルでは基本的に20Hz以下の音、20KHz以上の音はカットされています。
アナログでは全ての周波数が入っていますので、
無駄なノイズと一緒に聞こえないはずの低音や高音が入っているのです。
そこに暖かみがはいっているのです。


生物は聞きたい音だけを聞いているものではありません。

地球上では意図的で無い限り必ずなにかしらの音が聞こえます。
風の音、車の音、話声、冷蔵庫.....

一般的にはノイズと言われていますが、
先程言ったようにノイズにこそ音の神髄があるのではないでしょうか?

それが『音』であるかぎり、気持ちの持ちようでそれは『音楽』に生まれ変わるです。




人間は全くの無音状態では精神異常をきたすと言われています。

それはなぜでしょう?

音は人間の精神状態に深く影響しています。
子供が母の声をきいて安心するかのごとく、
人間はノイズをきいて今の自分を認識するのかも知れません。

ジャズは咳やしゃべりごえが、その生々しい世界を感じさせ、
鳥の声は爽やかな朝を連想させたりします。
演奏された場所や録音された場所の空気を聞かせる事によって、さらに臨場感が生まれ、
音楽家や演奏者の意図が伝わりやすくなり、楽譜には無い音楽の世界が表現出来るのです。
ノイズだけを聴くのでは無く、ノイズを知り、それを意図的に音楽に取り入れる事は
70年代以降の音楽にとって非常に重要で、意図的に頻繁に使われる手法なのです。


■1960年代から70年代に盛んに行われていた実験音楽(フルクサスやノイズ音楽家等)


皆さんは実験音楽という世界を御存じでしょうか?
俗に「Sound Art]とも言われますが、
読んで字のごとく、それは実験であって結果は偶然の産物であったりします。
しかし、この実験が今日の音楽を支えているのは間違いありません。

Fluxus
フルクサスとは 1960年代の初めころから、NYを中心に、
欧米各地で行われたハプニングあるいはイヴェントといった
「行為」を表現形式とするグループ。
ヨーゼフ・ボイス、ジョージ・マチューナス、ナム・ジュン・パイク、
シャルロット・モーマン、ヨーコ・オノなどである。

関連サイト:http://www.nutscape.com/fluxus/homepage/

 
 

関連書籍 :参考資料 
STUDIO VOICE 1995 vol.4 [フルクサス発]
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養鶏場とサウンドアーティスト 1994
水戸芸術館現代美術ギャラリー
「ジョンケージ:ローリーホーリーオーヴァーサーカス」展での
オーディトリアムにおけるパフォーマンスイベント

一定の間隔で籠から解き放たれた鶏が、徐々に数を増やしていき、
ケージの顔が印刷された絵皿に撒かれた餌をついばむ。
このプロセスの間、観客は自由にこのスペースに出入りでき、
中央に陣取った演奏者が奏でるヴァイオリンの音、
サウンドピックアップ(マイク)によって増幅される鶏のざわめきのなかに身を置く。


1000のターンテーブル 1991
メビウスの輪 1994
61×213,4×616p

数千のカセットテープによるオブジェ
 
フットステップ 1989
3500枚のヴィニール盤(右)

床に敷かれた盤にはあらかじめ
タップ音や足音が録音されており、
展覧会後に観客の刻んだ
スクラッチノイズと共に
聞ける作品となる。
 
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■The Beatles
  (The White Album)
 BEATLES
■Sgt. PEPPER'S
 LONLY HEARTS CLUB BAND
 BEATLES
■REVOLVER
 BEATLES
■Unfinished Music
  No. 1: Two Virgins
  JOHN LENNON
  &YOKO ONO
■Unfinished Music
 #2: Life With The Lions
 JOHN LENNON
 &YOKO ONO
■ジャケットをクリックすると購入することもできます■
 
当時、ヒットミュージックを世に出し続けた偉大なバンド[The BEATLES]。
一般的に知られるビートルズの栄光と、その音楽の素顔には実は相反するものがあるのです。
上に並べた5枚のアルバムはそのほんの一部ですが、(右2枚はジョン・レノン&ヨーコ・オノ)
これ程聞かれた実験音楽は存在しないでしょう。
実験音楽にはジャンルは存在しません。
何が実験かというと、民族音楽やサンプルミュージック、多重録音やアナログテープの逆回転など現存する音楽の手法をふんだんに、かつ大胆に試行している所、そして、現代美術ではすでに存在していた実験ポップ(ポップアート)を音楽に実現した所でしょう。
(ただしポップとポップミュージックは別物)
彼等は(いや、彼等のまわりの天才エンジニア達も含めて)活動の後半を録音というものに重点を置いています。
録音という手法はそれまでの音楽にも使われていましたが、今まで存在し得なかったものを取り入れるという発想をポップミュージックに取り入れ、一般 大衆にその存在をしらしめたのです。 しかし、人々はその中に実験音楽や、さらにはノイズが存在する事をすぐには認識しなかったのです。
そこには、
「皆さんはノイズミュージックを聞きますか?」の問いに「いいえ」と答え、
「ビートルズを聞きますか?」の問いに「はい」と答える矛盾を生み出したのです。
これは間違い無く音楽の進化であるといえるでしょう。

The Beatles [White album]より、REVOLUTION9参照

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超音波ビームで「ねらい定めて」音を伝える新技術

John Gartner 2002年2月21日 2:00am PST 

あなたの頭の中の声は本物かもしれない。  
超音波を使って、ごく狭い範囲に的を絞って音を送り届ける技術が開発された。

この「ねらい定めた」音声は、数百メートル離れた場所から発せられた場合でも、
まるで目の前で音がしているように聞こえる。  

発明した研究者たちは、この新しい「腹話術」技術について、エンターテインメントの新たな次元を開くものだと語っている。
だが米軍は、これを敵を混乱させたり、さらには苦痛を与えるために利用できないかどうか検討を行なっている。  

現在、差し渡し30センチほどの音の柱を発してその方向にいる人だけに聞こえるようにする音声伝達方式には競合する2つのシステムがあるが、その1つが『オーディオ・スポットライト』だ。マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの博士課程に在籍する大学院生、ジョセフ・ポンペイ氏がこの技術の開発を決心したのは、オーディオ機器メーカーの米ボーズ社に勤務していた頃のことだ。ポンペイ氏は、同社始まって以来最年少の16歳でエンジニアとして入社した。  

以前シカゴのナイトクラブでジャズトランペットを吹いていたポンペイ氏は、音響システムが音楽を再生し、行き渡らせる方法に興味を持った。そして、「ステージ上のダンサーの踊りを振り付けるみたいに、音を動かして演出できたら」面 白いと考えた。  

雑多な楽器音を全部まとめて、スピーカーでクラブ中に一様に鳴り響かせるのでなく、観客の左側にソリストを、前列にパーカッションをスポットライトで照らすように響かせたり、配置を入れ替えたりしてみたらどうかとポンペイ氏は考えた。  

「実際の世界では、音はすべての方向に広がる。今のところ、通 常のスピーカーでできるのは、音が出された環境を正確に再現することだけだ」とポンペイ氏は説明している。  

まずは、セガのテーマパーク、東京ジョイポリスと、ボストン科学博物館に展示するためのデモ用システムが作られた。近く市販も開始する予定だ。ポンペイ氏によると、この技術は博物館で喜ばれているという。展示物の前に立っている来館者が、他の展示品の説明に煩わされずに、聞きたい説明だけに集中できるからだ。  

オーディオ・スポットライトのトランスデューサー(変換器)の大きさは直径約10センチから約50センチのものまでさまざまで、その直径より1〜3度広い角度で超音波ビームを発生させる。  

また、ドライブ中のラジオの選局で争う必要もなくなるという。米クライスラー社のトラックを使ったコンセプトモデルにオーディオ・スポットライト・システムをいくつか取りつけたところ、搭乗者はそれぞれが別 個に好きな局を聞けるようになった。後部席の子どもたちがヘビーメタルを楽しむ一方で、親たちはあたりさわりのないBGMでリラックスするといった具合だ。「ドライブはずっと楽しくなる」とポンペイ氏は述べた。  

オーディオ・スポットライトは、普通の音響を、通 常の可聴範囲を超える超音波信号に変換する。トランスデューサーから発せられた超音波は、空気との相互作用によってあるところで可聴音を作り出す。  

ポンペイ氏によると、超音波のビームは進むにつれて、空気が本来持っている「非線形」効果 により、数学的に予測可能な仕方で可聴音に変わるという。ポンペイ氏は、作り出したい音の波形から「リバース・エンジニアリング」することで、トランスデューサーから発生させるべき適切な超音波信号を決定するアルゴリズムを書いた。  

テキサス大学のデビッド・ブラックストック名誉教授によると、全方向に拡散する人間の可聴範囲の音響と違い、周波数が高い超音波はターゲットを絞り込みやすく、懐中電灯のように向きをコントロールできるという。また、超音波は「低周波の音よりも減衰の仕方が遅い」ため、遠くまで簡単に送れるという。  

オーディオ・スポットライトは60キロヘルツ域の超音波を発する機能がある。人間の可聴範囲の上限、20キロヘルツを大きく超えるとブラックストック名誉教授は述べた。  

ブラックストック名誉教授によると、超音波を使った最初の実験は、1960年代に水中で行なわれたという。1980年代に日本の研究者たちがさらに研究を進めたが、商業利用には至らなかった。  

ポンペイ氏によると、オーディオ・スポットライトは現在、オーストラリアで行なわれるフリンジ・フェスティバルの会場に設置されるところだという。ポンペイ氏はまた、ホロソニック・リサーチ・ラボ社を創立した。この会社を通 して、米クラフト・フーズ社や米イーストマン・コダック社など、オーディオ・スポットライトを情報キオスクや小売ディスプレーに利用しようと考えている企業への販売を進めていく。  

ポンペイ氏の発明と対抗しているのが、米アメリカン・テクノロジー社の『ハイパーソニック・サウンドシステム』だ。こちらも近く発売の予定で、オーディオ・スポットライト同様、音声を超音波に変換する。ブラックストック名誉教授は、このシステムのデモを見て感心したと述べている。  

ブラックストック名誉教授によれば、音源から100メートルほど離れたところではっきりと音を聞くことができたが、音の通 り道から2歩離れただけで、何も聞こえなくなったという。「素晴らしい。驚くべき効果 だ」  

アメリカン・テクノロジー社のテリー・コンラッド社長によると、同社は可聴音を超音波に変換するチップの大量 生産を今月中にも始める予定だという。  

同社は最近、米国陸軍との間で技術開発契約を結んだ。利用目的はもちろん、商業ではない。心理戦に使うためだ。  アメリカン・テクノロジー社のジム・クロフト最高技術責任者(CTO)によれば、この技術を使って近くに誰かいると思わせ、敵を混乱させるという。小型のトランスデューサーを目につかないところに隠して、偽の音を「岩など、音を反射する物体の表面 」で反射させれば、敵は周りに誰かいると錯覚するわけだ。  

同社はまた、この技術をさらに強力にした『ディレクテッド・スティック・レディエーター』の開発も進めている。この「音波狙撃銃」は銃の形をしているが、弾丸の代わりに高い音圧の音を発して、相手に不快感や痛みすら与える。  

クロフトCTOによれば、同社はこの武器の試作品を開発中だという。ジープに搭載して群集統制に使えば、敵軍を弱体化し、「戦闘意欲を喪失させるのに絶大な効果 を発揮するだろう」とクロフトCTOは述べた。  

一方、ポンペイ氏は、自分のシステムを戦争ではなく音楽に利用することに喜びを見い出している。ポンペイ氏によれば、U2のボノがオーディオ・スポットライトのファンで、最近ではステープルズ・センターでのコンサート中、音響効果 を確かめるためにポンペイ氏をロサンゼルスまで招いたという。  

ポンペイ氏は、自身がミュージシャンとしてステージに戻ることよりも、他のミュージシャンが自分の発明を利用してくれることのほうがうれしいと述べた。「私は科学者の方が性に合っているようだ」


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