□レイヴ/ 2003.5.10 /no..9

皆さんは日常、何を想い、何を感じていますか?2003年春、ついにお待ちかねのレイヴシーズンを迎え、4月に入るやいなや、まさに冬眠から覚めたかのごとく大小様々なパーティーがすでに数十団体も開催されています。今年は毎年、東京・代々木公園にて開催されるフリーパーティー『春風』も無く寂しい始まりになるかと思いきや、例年以上の盛り上がりを見せる予感が…。そんな中、やはり本来あるべき姿や目的を持ったパーティーもちらほら。旅好きやレイヴ好きにはすでに周知の事とは思いますが、やはり馴染みのない人々にとっては、下手をすれば暴走族扱いになりかねないのがレイヴ。ましてや今の御時世、○装束集団『パ○ウェー○』とも思われかねん。夜中に大音量でゴツゴツと四つ音を鳴らし、民族衣装やブラックライトの中、あやしい雰囲気で踊るあの異質な空間は確かに一般的には怖いです(汗)しかしなぜこれほどまでに多くの人々が魅了され、待ち遠しく感じるのか?そして、なぜ苦労してまで開催するのか?一般的な生活の中で、日常とする世界には一体何があるのでしょう。生活、恋愛、仕事、勉強、ルール、時間...これらは当然あるべきもので、人によってはかけがえの無いものだったりします。それでも、心身の疲れを癒すために、時に温泉旅行にいったり、公園を散歩したり、家でゆっくりとした時間を過ごしたりしてもう一つの日常を味わう方も多いはず。そんな時、あなたはどんな気分になりますか?優しく、穏やかで、時には夢中になり、日常の全てを忘れ、楽しみ、感じる。そんな空間を自然や人間全てを含む宇宙と一体化できるのがレイヴです(願)。
よく、自然の中に大音量の音楽と大量の人が行けば、虫達は迷惑し、植物は踏まれ、自然が迷惑するのでは?と聞かれますが、果たして、太陽が、風が、空が、大地が、植物や生物達が人間と共に居ることを拒むでしょうか?地球は生まれた時からその大気にほとんど全ての素材を存在させ、それが気の遠くなるような時間と偶然の重なりによって進化し、海となり大地となり生命となったわけです。それは近代都市におけるコンクリートやアスファルトも同じであり、その下には大地があり、生物達が日常を送っています。アリンコしかり、サルもしかり、植物さえも『愛』と『種の存続』に満ちているために、戦い、工夫し、進化し、そして生き残る。ただしこれらは人間が行う破壊とは大きく意味が違います。そんなことを肌で感じ、もっと身近で重要で当たり前の事を意識させてくれる、言ってみれば疑似空間を創造しているのです。
レイヴは自然の中で音楽を聞き、食事をし、まわりにいる誰でもが仲間として話をする。そこにはピュアで新鮮な、あなたにとってかけがえのない、または自分すらも知らない自分に出会えるかも知れません。もちろん、これはたった一つのレイヴの可能性であり、価値観でもあります。そして、本来レイヴなどに行かなくてもそれらの出来事は恙無く行われ、一つの宇宙として形成されています。しかし、それを日常に感じることは人によっては困難で、または全く意識せずに生活を送っている人も多いはずです。もし、あなたがレイヴに行ったら、となりに生えている植物の葉や、空を跳ぶ蝶、風のにおいを思いっきり意識してみて下さい。そこにはあなたの知らない日常があるかも知れません。そしてそっと、自分もその営みと同じ時間の中に感じてみて下さい。宇宙はそこにあるはずです。


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