□ネットロアについて考える/2002.3.28/植松健一

ここ数日、忙しすぎてろくに寝れない日々が続いている。よく目が回るというが、本当に回るとは思っても見なかった。ディスプレイがぐわーんと斜めになるのだ。いよいよ、ヤバいのでしばらく仮眠をとることにした。寝ぼけ眼で僕はかんがえる。僕みたいなフリーで仕事をしている人間にとって忙しいというのはとてもうれしいことであるなぁと。だって世の中には、仕事がなくって屋根のないところに寝泊まりしている人がごまんといるのだから。
これと同じ発想かどうかは知らないが、僕より大変な人はいっぱいいるんだなぁということを身につまされる話が最近あった、というか見つけてしまった。最近はやりのあれである。『世界がもし100人の村だったら』である。知っている人にとっては何だ、って感じでしょうが一応補足までに触りだけ紹介してみよう。〜前略
世界には63億人の人がいますが、もしもそれを100人の村に縮めるとどうなるでしょう。100人のうち、57人のアジア人で、21人のヨーロッパ人、14人の南北アメリカ人、8人のアフリカ人がいます52人が女性です48人が男性です 70人が有色人種で30人が白人70人がキリスト教以外の人で30人がキリスト教89人が異性愛者で11人が同性愛者6人が全世界の富の59%を所有し、その6人ともがアメリカ国籍です。80人は標準以下の居住環境に住み70人は文字が読めません50人は栄養失調に苦しみ1人が瀕死の状態にあり1人はいま、生まれようとしています1人は(そうたった1人)大学の教育を受けそしてたった1人だけがコンピューターを所有しています。もしこのように、縮小された全体図から私達の世界を見るなら、相手をあるがままに受け入れること、自分と違う人を理解すること、そして、そういう事実を知るための 教育がいかに必要かは火をみるよりあきらかです。また、次のような視点からもじっくり考えてみましょう。もし、あなたが今朝、目が覚めた時、病気でなく健康だなと感じることができたなら・・あなたは今生き残ることのできないであろう100万人の人達より恵まれています。もしあなたが戦いの危険や、投獄される孤独や苦悩、あるいは飢えの悲痛を一度も体験したことがないのなら・・・あなたは世界の5億人の人達より恵まれています。もしあなたがしつこく苦しめられることや、逮捕、拷問または死の恐怖を感じることなしに教会のミサに行くことができるなら・・・あなたは世界の30億人の人達より恵まれています。もし冷蔵庫に食料があり、着る服があり、頭の上に屋根があり、寝る場所があるのなら・・・あなたは世界の75%の人達より裕福で恵まれています。もし銀行に預金があり、お財布にお金があり、家のどこかに小銭が入った入れ物があるなら・・あなたはこの世界の中でもっとも裕福な上位8%のうちの一人です。もしあなたの両親がともに健在で、そして二人がまだ一緒なら・・・それはとても稀なことです。....うんぬんと
ここから先は人によってはお説教であったり、功徳のあるお話であったりするのだろうという内容になっている。これの元は世界を駆け巡ったひとつのメールである。これをネット世界におけるひとつの都市伝説であるとか寓話であるとかいった意味でロアと呼ぶ人たちがいて、書籍としてコンビニにまで置かれるようになった。一部のひとにしてみれば、タダのチェーンメールに過ぎないが、受け取る側の人間次第では大きな意味を持つメールである。敢えて今回は為になる部分は削除したが、僕が目にいったのは上の部分である。100人という数字は暗にパーセントを表している。上をもう一度見ていただきたい。世界の70パーセントは字を読めない、そして世界の半分の人は食事すらとれない状態にいることを。僕らはこのメールを読めているテーブルに小銭の散らかった、戦争を知らない、着る服のある、パソコンを持った、たった1パーセントの人々に向けて発信しているという事実を。テレビでは自動車のローンが払えないから、強盗に入り、子供達を刺し殺した犯人が死刑になるというニュースを報道している。日本という国はあまりにも肥え過ぎてしまったのかも知れないなと思う。世界のほとんどの人々はその日の食事をとることで精一杯だ。なのに一方日本では、満腹でテレビを見ながら退屈で、自殺したいと考えている人たちも同時にこの世界では暮らしている。なんという矛盾だろう。世界はこれでいいのだろうか。僕には何かできないのか?疲れてるのに、なぜだかだんだん真剣に考え出すと、こりゃ寝てる場合じゃないぞと、また夜はふけてゆく。
って言うか寝ろよ。(一行目に戻る)


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